Coisas sobre futebol

日本のサッカーシーンで起きることをわりとまじめに語るブログです。観戦記等もあり。

天皇杯準決勝の動員数で考える

天皇杯準決勝@11/26(水)
ガンバ大阪(大阪)vs清水エスパルス(静岡)@味の素スタジアム(東京)
ジェフユナイテッド千葉(千葉)vsモンテディオ山形(山形)@長居スタジアム(大阪)

味の素スタジアム入場者数 6,708人(最大49,970人・収容率13.4%
(陸上トラックなし・ただしスタンドとピッチ距離は陸上競技場と差なし)
長居スタジアム入場者数 2,221人(最大50,000人・収容率4.4%
(陸上トラックあり)
→合計動員数8,929人(最大99,970人・収容率8.9%

まずなぜ権威もある天皇杯という大会の準決勝を平日に置いたか。「天皇杯」「準決勝」という名前だけで、どんなクラブが勝ち上がってきても入場者数を稼げるという公算はあったのだろうか?あるいは味スタを本拠とするFC東京、長居を本拠とするセレッソ大阪が勝ち上がってくることを期待していたのか(ちなみにFC東京はここ最近は大学生ながら代表入りした期待の新星・武藤嘉紀が、クラブとしても代表としてもリーグとしても絶賛売出し中、セレッソはいわずもがな若い「スター」の集まりで近年「セレ女」という現象を引き起こしている)。

ハコという意味では、本日の味スタの動員数を見れば極論東京都北区の西が丘サッカー場(収容人数約7,000人)でも足りる。ただ足りるどころか、会場をそちらにしたほうが都心からも近く、なおかつサッカー専用でもあるからピッチとスタンドも近いし、収容率的にも「準決勝」にふさわしい熱気をつくれたのではないだろうか。

J1~J3でいえば東京都にはFC東京東京ヴェルディ町田ゼルビアの3クラブが、大阪府にはセレッソ大阪ガンバ大阪がある。いずれも普段から十分にトップレベルの、しかもホームチームのサッカーを見る環境がある。週末の決勝であるならまだしも、平日にこのような都市でその土地に縁のないクラブの試合を開催することにどれだけ意味があるのか。果たして今日のこの2試合でそれぞれの土地のサッカー熱がどれだけ上がったのか。それであればせめてJ1~J3のクラブがない土地へ行脚させるほうがよほど興行として意味がある(そして「天皇」杯としての意味がある)のではないかと思ってしまう。

そもそも、意識して見ていないと今日が天皇杯の準決勝だなんて誰もわからない。もしFC東京セレッソ大阪が敗退した時点で集客をあきらめたということだとしたら、まあ呆れてしまう(もちろん、費用対効果を考えればわざわざプロモーションなんてかけないほうがいいのだが、それならばそもそもの開催地を考えろ、というお話)。

日程的にも会場的にも(そして会場ゆえにカード的にも)至極当然の結果といえばそうなのだが、果たしてこれで誰か反省する人間はいるのだろうか(もちろん、この動員数が勝ち上がったガンバ大阪モンテディオ山形の名誉を損ねるものでないことは論をまたない)。

それにしても清水エスパルスも、はがゆいったらありゃしない。客観的には、残留争いを優先してメンバーを落とした、そして結局決勝進出を逃した、というふうにしか見えない。もちろん、若手にチャンスをというのはわかるが、本当にこれがそのタイミングだったのか。コアなサポーターは若手を見ることができてうれしいかもしれないが、天皇杯の準決勝というハクのある試合で、新たなサポーターを獲得するための普段とは違うチャンスでもあったとしたら、今日の予想スタメンが出た時点で「どの選手をエサに友達を誘うか」という観点からはかなりハードルの高いものになってしまった。

とにもかくにも、こうなってしまったら狙い通り土曜の試合に集中し、必ず勝ち点3を獲得し残留の確度を上げていただきたい。降格は絶対に許されない。天皇杯優勝したけど降格しちゃった、ならば後々ネタにもなるが、天皇杯もみすみす逃しながらしかも降格した、ではまったくもって笑いごとにもならない。